「私が借金をする理由ランキング」の上位は意外なものだった
借金苦、という言葉を聞くと何を想像するだろうか。私は、経営者が会社を倒産させてしまい残った支払いに追われるイメージがある。借金をする理由はさまざまであるが、経営なりギャンブルなり、何かに挑戦して失敗してしまったときに背負うものが借金、という考えだ。しかしそれは相当古い考え方のようである。現在では、そういう重々しい理由よりも意外なことで借金をしている人が多いようだ。今現在借金をしている人に、その借りた理由を聞くと、意外なものが多い。ランキング上位に相当した意外な理由をいくつか挙げてみようと思う。
〇生活費の一部化
この不景気の中、一生懸命働いても給料がスズメの涙程度、という人は多い。自分一人の生活なら賄えても、同じ金額の給料で妻や子供を養わなければならない人は、需要と供給が釣り合わず、そもそも生活費が足りない状況に陥ってしまう。妻がつける家計簿には、食費や家賃のほかに、毎月当然のごとく「借金」という勘定項目が存在する。今月頭に借りた分はすぐ支払いの一部となり、月末までに何とか節約して返済する。翌月また支払いのためのお金が不足するので借金をする、という流れは給料が値上がりしない限り永遠に続いてしまう。ゆえに借金生活から逃れることができない。
〇趣味代に充てる
これは男性に多いようだが、趣味をとことん追求してしまうあまりに、お金が足りなくなって借金するようだ。もちろん初めは自分の給料で楽しめる程度の趣味しか持たない。しかしながらハマってしまうと道具や場所などにお金をつぎ込みたくなってくる。その時に自分の給料を削って趣味につかっても、そのせいで生活が苦しくなるなら楽しくないと考えてしまう。「本来趣味はストレスを発散するためのもの。苦しい生活をしてたらますますストレスになってしまう。でもどうせ追求するなら本格的にやりたい」という気持ちになり、だったら趣味代は外部から借り入れてボーナスで支払えばいいか、という安易な考えが生まれ、いつの間にかボーナスでも間に合わない状況になってしまう人もいるようだ。
〇ただ見栄を張りたいだけ
現代人に最も多い理由の一つが「見栄を張りたいから」というものである。高級ブランドを身に着けないとなめられる、とか大きな家に住んでいることで金持ちにみられたいとかいう理由で簡単に借金を作ってしまう。普通の生活をしていれば全く必要がないのに、身の丈に合っていない物を身に着けたいという願望だけで借金をしているのだ。これは社宅住まいの主婦によく見られるという。社宅に住んでいる人たちは、夫が同じ会社に勤めているわけで、お互い大体の給料の額は把握することができる。同じような条件下で生活しているからこそ、高級ブランドの物を身に着けることによって「夫に愛されている」とか「上手にやりくりして余裕のある生活をしている」という風に思われたいのである。しかしこういう場合、あまりに高額すぎるものを持っていると怪しまれるので注意が必要だ。
一昔前の借金の理由は、ギャンブルや遊び代というのがほとんどだったが、最近はなんとなくその豪快さが失われてセコくなっているような気がする。これも時代のせいなのかもしれないが、なんとなくさみしく感じてしまう。