しつこい在籍確認の電話に同僚が困惑…ローンをはしごする社員
以前、販売の仕事をしていた時、よく店舗には商品に関する問い合わせやクレームの電話がかかってきていた。しかし時には、勤務しているスタッフに対する個人的な電話などもあり、女性ばかりの職場だったということもあり、危険な場合に備える意味で、その際には情報共有を怠らないよう徹底されていた。
ある日、スタッフの一人が言った。「クレジットカードを新しく作って、その必要条件にこの会社で働いているかの在籍確認があるようなので、店舗に電話がかかってくると思います」と。案の定、その後連絡がありその場はそれで終わっていた。
しかし1か月後、同じスタッフ宛に同じような電話がかかってきた。在籍確認を何度もする必要があるのか?と問うと、「引越しをするので不動産会社が在籍確認をしている」と言うので、信用した。それで終わりだと思ったが、数日後も、また数日後も何度もしつこく同じような電話があり、なぜかそういう時は決まって本人が休みの日であった。その頃から皆、なんとなくそのスタッフに不信感を抱くようになっていた。
彼女はその後、同業のもっと規模の大きな会社にヘッドハンティングされ、条件が良いのでそちらに行くと言って突然辞職してしまった。よくわからないまま悶々として過ごしていた私達だったが、ここからが地獄であった。
その後、毎日のように彼女宛てに在籍確認の電話がかかってくるようになったのである。しかも、その電話は明らかに違う会社数社からのものであった。もう退職してますと話したところ、本人がそこで勤めていると言っているのですがの一点張り。確かに厳密にいうと退職完了してはおらず、有休消化中の状態だったので在籍はしていることになるのだが、相手の会社の人もとてもイライラしているようで、こちらとしても非常に困ってしまった。その後、電話の主は全て消費者金融などの融資をする会社で、彼女は複数の会社から借金をして有休消化中の曖昧な状態を利用して在籍確認をパスしようとしていたことが発覚した。とりあえず彼女に連絡を取ろうと思って、本人が言っていたヘッドハンティングされたという会社に連絡を取ってみた。予想はついていたものの、やはりそういった事実はなく彼女はその後、音信不通である。
まるで、借金をするために会社に属していたようにすら見える彼女であったが、複数の会社から融資を受けないと困るような状況には一切見えなかった。人は本当に見かけによらないものである。